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To Be a Good Company

EAPとは

EAP=従業員支援プログラム


従業員の心の健康の維持・増進を通して、企業の活力を向上させるプログラム

EAPとは Employee Assistance Program の略であり、従業員支援プログラムのことです。EAPは、企業や団体の従業員を対象としたカウンセリングサービスとして、1960年代にアメリカで発展しました。日本でも1980年代の終わり頃から徐々に浸透し、近年では健康増進や法令遵守、組織的なメンタルヘルス対策の推進など、様々な目的でEAPを導入する企業が増えています。

EAPサービスの特長

  • 外部機関が実施=社内の人に知られず、専門家に相談できる安心感
  • 会社が福利厚生サービスとして提供=従業員が自己負担無しで自由に相談できる気軽さ
  • 心身の不調をひとりで抱え込ませない=早期発見・早期対応につなぐ
  • メンタルヘルスケアを契機に、より活力ある組織作りを目指すという人事戦略としても活用可能

EAPの一般的なサービス内容

  • 個別カウンセリング
  • ストレスチェックの実施
  • 組織診断
  • 専門医療機関の案内、相談機関へのリファー(紹介)
  • メンタルヘルス全般のコンサルティング
  • 従業員の研修、啓発活動

 

メンタルヘルス対策の必要性とEAPが果たす役割


近年のメンタルヘルス対策の動向と、EAPの役割

昨今の経済情勢や労働環境の変化に伴い、心身の不調やこころの病を抱えている人々が増加しています。この現状に対し厚生労働省は、労働者のメンタルヘルス対策を推進するため、平成12年8月に「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を策定しました。さらに、事業場におけるメンタルヘルス対策の適切かつ有効な実施をより推進するため、平成18年3月には新たに「労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルヘルス指針)」を掲げ、事業者が行う労働者のメンタルヘルス対策の強化を進められました。しかし、仕事による強いストレスが原因で精神障害を発病し、労災認定される労働者が、平成18年以降も増加傾向にあり、労働者のメンタル不調を未然に防止することが益々重要な課題となっています。こうした背景により、平成26年の労働安全衛生法改正により、ストレスチェックおよびその結果に基づく面接指導の実施を事業者に義務付けること等を内容としたストレスチェック制度が創設されました。

メンタルヘルス対策は、「一部の従業員個人」の問題として捉えるのではなく、全社的・組織的な視点から対策を進めていくことが大切です。上記のメンタルヘルス指針では、事業場で「心の健康つくり計画」を立案し、「4つのケア」を構造的に推進させていくことが明記されています。

「4つのケア」の推進にあたっては、自社のリソースとの兼ね合いから専門機関であるEAPを活用することでより効果的な支援が期待できます。

メンタルヘルス対策の意義

メンタルヘルスケアの計画及び進め方(参考例)

厚生労働省指針「4つのケア」

EAP普及の背景

EAPの導入が盛んになった背景には、さまざまな労働環境の変化にともなう従業員のストレス状態の悪化があります。先行き不透明な経済状況や金融危機などによる世界的な景気後退、成果主義の導入・終身雇用の崩壊、経済のグローバル化、コンプライアンス重視、IT化など、企業をとりまく環境の変化により、企業従業員の心理的負担は増大の一途をたどっています。

仕事や職業生活に「強い不安・悩み・ストレス」を感じている者の割合は、2007年度労働者健康状況調査(厚生労働省)によれば、58%にのぼっています。

社員のメンタルヘルスの悪化は、業務へのモチベーションやパフォーマンスに大きく影響します。

社員がメンタルヘルス不調に陥ると、次のような悪影響により生産性が低下

  • Absenteeism(欠勤による労働損失、医療費や傷病手当金、代替人件費)
  • Presenteeism(業務効率の低下、ミスや事故など)
  • 周囲への負担

心身の不調による生産性低下のイメージ

 

メンタルヘルス不調による経済的損失

メンタルヘルス不調による経済的損失には、欠勤や休職等による直接的な損失と、休職しないで就業を続けた場合の本人および周囲の生産性低下による損失とに分けられます。

休職による経済的損失(Absenteeismによる損失)

  • 日本全体では年間1兆円にのぼると推定されます。
  • 企業における損失は、社員が1年間休職した場合、年収の2倍以上の損失が発生すると予測されます。

※平成14年~16年 「うつ病を中心としたこころの健康障害をもつ労働者の職場復帰及び職場適応支援方策に関する研究」より

生産性低下による損失(Presenteeismによる損失)

  • 本人が不調のまま就業を続けた場合、集中力・思考力・労働意欲の低下やミス・事故やそれに 起因する生産性低下による損失が発生します(本人の生産性低下を7.6%と見積もったアメリカの報告あり)。

周囲の生産性への影響

  • 職場の上司、同僚への業務のしわ寄せ/職場のモラールの悪化/管理職や人事部門の負担増加など、間接的な生産性の低下まで見積もると、莫大な損失金額が想定されます。

日本における総損失額

  • 複数のシンクタンクが、メンタルヘルスの不調による日本の損失金額は一兆数千億円にのぼるとの報告をしています。

 

EAPの導入メリット


導入メリット

EAPを導入すると、従業員と企業の双方で次のようなメリットが期待できます。

導入メリット

アメリカでEAPの効果と信頼性は大きく認められており、既にFORTUNE誌のトップ500企業の95%が、社員の心を守るためEAPを導入しています。

 

費用対効果

企業のメンタルヘルス環境の変化には、経営状況、人事労務スタッフや産業保健スタッフの活動実績、管理監督者の対応力の向上など、様々な要因が関わっています。

その中で、EAPサービスの費用対効果については、現在、ストレスチェックモデルやコストモデル、産業保健モデルなど、様々な視点からの研究が進められています。

一般的な傾向として、EAPサービス導入後3年以上になると、ストレス状況やメンタルヘルス環境に対するプラスの効果が示されることが多いといわれています。

参考:アメリカにおけるEAPの費用対効果に関する報告

アメリカの労働省のホームページで、多くの企業がEAPの効果を報告

  • 国際EAP協会の報告(バージニア州・1996年)
    • 過去25年間の企業および研究機関の発表資料をまとめる
      →「EAPへの投資1ドルにつき、5~7ドルの効果」
  • 1994年 全米大企業50社を対象にした調査
    • EAP導入により、メンタル疾患による欠勤が20%減少/売り上げは14%上昇
  • マクドネル・ダグラス社(現ボーイング社)
    • EAP(1989年導入)による経緯費削減効果は、4年間で500万ドル
      (コンサルティング会社との共同研究)
    • メンタルヘルス関連の経費 28%減少
    • メンタルヘルス不調による入院従業員数 47%減少
    • 社員離職率35%改善・売り上げは14%増加